毒物及び劇物取締法
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毒物及び劇物取締法の概要
『毒物及び劇物取締法』とは厚生労働省が所轄となり、
毒物または劇物の製造・販売・貯蔵などについて規定されているものです。
毒物及び劇物を販売する場合にはMSDS(化学物質安全性データシート)の添付が義務付けられています。
毒物劇物について
人体や生態系に悪影響を及ぼす恐れがあるもの。
主に飲み込んだり吸い込んだり、皮膚に触れた場合に危害を与える物を言います。
大きく3種類に分けられます。
毒物:別表第1に掲げるもの
劇物:別表第2に掲げるもの
(いずれも医薬品及び医薬部外品以外のものを指します)
特定毒物:毒物であって別表第3に掲げるもの
毒物・劇物・特定毒物について詳細の情報は下記ページを参考にして下さい。
「国立医薬品食品衛生研究所ホームページ」より参照。
毒物劇物の取扱責任者
毒物劇物を実際に取り扱うにあたり、 安全確保について責任を持つ毒物劇物取扱責任者を
各製造所・営業所ごとに選出しなければなりません。
毒物劇物取扱責任者は、下記に記す者がなる事ができます。
1.薬剤師
2.厚生労働省令で定める学校で、応用化学に関する学課を修了した者
3.都道府県知事が行う毒物劇物取扱者試験に合格した者
下記に記す者は、毒物劇物取扱責任者となることができません。
1.18歳未満の者
2.心身の障害により毒物劇物取扱者の業務を適正に行うことができない者として
厚生労働省令で定めるもの
3.麻薬、大麻、あへん又は覚せい剤の中毒者
4.毒物若しくは劇物又は、薬事に関する罪を犯し、罰金以上の刑に処せられ、
その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して3年を経過していない者
毒物劇物取扱者試験は年に1回開催されます。
現住所などに関係なく、どの都道府県でも受験する事ができ、
合格した以外の都道府県でも毒物劇物取扱責任者になる事ができます。
開催日は各都道府県の情報を参考にして下さい。
毒物劇物の貯蔵・管理
毒物劇物取扱責任者は盗難を防ぐために貯蔵や保管管理方法を徹底しなければなりません。
●取り扱う毒物劇物の性質に合わせた、安全な専用の設備で保管する
●運搬時は容易に持ち運ばれないように厳重に管理する
●もしもの時の通報体制を整えておく
などの内容が定められています。
毒物劇物の貯蔵・管理の注意点について詳細は下記ページを参考にして下さい。
注意点については4ページ目以降に記載されています。
「国立医薬品食品衛生研究所ホームページ」より参照。
毒物劇物の表示について
毒物劇物が入っている容器にはその旨を記載しなければなりません。
また、毒物劇物を販売・譲渡する場合はその容器に取り扱いに関する注意事項や毒物劇物の成分を記載する必要があります。
毒物劇物が入った容器の表示
毒物劇物が入っている容器:「医薬用外」の文字
毒物が入っている容器:赤地に白色で「毒物」の文字
【例】
劇物が入っている容器:白地に赤色で「劇物」の文字
【例】
毒物劇物を販売・譲渡する場合の記載事項
1.毒物劇物の名称
2.毒物劇物の成分・含有量
3.厚生労働省で定められた毒物劇物の解毒剤名称
4.取扱や使用時の必要注意事項・厚生労働省で定められた事項
また、農業用の毒物劇物は厚生労働省の定める方法により液体を着色しなければ販売出来ません。
毒物劇物の営業登録について
毒物劇物の販売、授与を目的としての製造・輸入・販売を行う業者は
それぞれ製造業・輸入業・販売業の登録を受けなければなりません。
取り扱い登録の管轄は下記の通りです。
●製造業又は輸入業:製造所、営業所ごとに厚生大臣が登録
●販売業:店舗ごとに都道府県知事が登録
毒物劇物を扱う製造所・営業所は専任の毒物劇物取扱責任者を置き、
毒物劇物による保健衛生上の危険・被害の防止に当たらなければなりません。
毒物劇物の譲渡手続きについて
毒物劇物を他の「毒物劇物を取り扱う営業者」に販売、授与したときはその都度下記の項目を書面に記載しなければなりません。
1.毒物劇物の名称・数量
2.販売または授与の年月日
3.譲渡人の氏名・職業・住所(法人の場合は名称および事業所の所在地)
毒物劇物を「毒物劇物を取り扱う営業者」以外の者に販売、授与する場合は厚生労働省で定める形式の書面の提出が必要となります。
また、この毒物劇物の販売記録は5年間保存しなければなりません。
毒物劇物の購入手続きについて
毒物劇物を購入する際は、下記の事項を記載し捺印した書面が必要です。
1.毒物又は劇物の名称及び数量
2.販売又は授与の年月日
3.譲受人の氏名、職業及び住所 (法人の場合、その名称及び主たる事務所の所在地)
この書面を「譲受証」と言います。
また下記に記載する人は毒物劇物の購入は出来ません。
1.18歳に満たない人
2.精神病者又は麻薬、大麻、あへん若しくは覚醒剤の中毒患者
3.使用目的が適法でない場合
MSDSについて
正式にはMaterial Safety Data Sheet(化学物質安全性データシート)と言い、
物質の性状や取扱いに関する情報を記載したものです。
●毒物及び劇物取締法に指定されている毒物劇物
●労働安全衛生法で指定されている通知対象物質
●PRTR法の指定化学物質
これらを販売や譲渡する際にMSDS(化学物質安全性データシート)の提供が義務付けられています。
毒物劇物の廃棄方法
毒物劇物を廃棄する場合は
・中和 ・加水分解 ・還元 ・酸化 ・希釈 などを行い、廃棄物のpH値やCOD/BOD含有率など
国や地域で定められている環境基準に考慮して廃棄をしなければなりません。
自己処理が出来ない場合は知事の許可を受けた廃棄物処理業者に委託する必要があります。
使用される単語の用語解説
◆pH
水素イオン指数、または水素イオン濃度指数と言われ、
“ピーエイチ”(英語読み)または“ペーハー”(ドイツ語読み)と読み、
物質の酸性-アルカリ性の度合いを示した数値です。
« 酸性 » «中性» « アルカリ性 »
pH 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14
¦強¦ ¦弱¦ ¦弱¦ ¦強¦
◆COD /BOD
海・川・湖沼の汚濁の環境基準が定められています。
・COD
CODはChemical Oxygem Demandの略で日本語の訳すと化学的酸素要求量と言います。
CODは海や湖沼汚濁の程度の調査や工場排水の指標としても用いられています。
過マンガン酸カリウムを使用し測定した場合は、CODMnで表示し、
(100℃における過マンガン酸カリウムによる酸素要求量)と言います
・BOD
BODはBiochemical Oxygem Demandの略で日本語に訳すと生物化学的酸素要求量と言います。
水中の微生物は有機物を分解する働きをする際に酸素を必要とします。
この時の酸素の消費量を言い、河川の汚濁の程度の指標として用いられています。
◆中和
酸と塩基を混合すると中和反応で双方の性質を打ち消し合うと共に水(H2O)と塩(えん)が生成されます。
例)HCl + NaOH → NaCl + H2O
酸 アルカリ 塩化ナトリウム(塩) 水
◆酸化
物質が酸素と化合して酸化物を作る化学変化を酸化と言います。
例)鉄(Fe)の表面が空気中の酸素(O)と化合して酸化鉄(さび)(FeO)になる
4Fe + 3O2 → 2Fe2O3
その他に水素を失う事、電子を失う事も酸化と言います。
◆還元
酸化物から酸素を失う化学変化の事を還元と言います。
例)酸化鉄の酸素(O)が炭素(C)と反応すると酸素(O)を失い、鉄(Fe)に戻る
炭素は金属の酸化物から酸素をうばいやすいので、
金属の単体を得るときによく用いられます。
2Fe2O3 + 3C → 4Fe + 3CO2
その他に水素を得る事、電子を得る事を還元と言います。
酸化と還元は必ず同時に起こります。(酸化還元反応)
◆希釈
濃度を下げるために水の量を増やし、薄める事を言います。
例)35%の過酸化水素水(劇物)を10倍希釈すると3,5%(劇物非該当)になる
◆加水分解
化学反応の一種で水による分解反応の事を言います。
水に反応する事で一つの物質が別の物質に変化するものです。
例)靴のソールに使用されているウレタン材が湿気や汗などの水分を吸収し、
物質が分解され、ボロボロになる
靴の劣化の化学式ではありませんが、化学式で表すと下記のようになります。
(CH3CO)2O + H2O → 2CH3CHOOH
無水酢酸 水 酢酸
CH3CHOO- + H2O → CH3CHOOH + OH-
酢酸イオン 水 酢酸 水酸化物イオン













