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中嶋金属株式会社様

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お客様の声



「気体と液体以外全てにめっきが可能です」

そう語ってくださったのは京都市右京区にてめっき業を営む中嶋金属株式会社 代表取締役 中嶋哲也様
昭和40年の創業以来50年、「まだ誰も取り組んでいないめっき技術の開発」へ注力し、挑戦し続けてこられました。

伝統技術を引き継ぎながら開発されてきた新技術は、様々な賞を受賞され、その高い技術力は装飾めっきから工業めっきまで幅広い業界において課題解決へと貢献されておられます。

教えて!中嶋金属株式会社様のこと

教えて!中嶋金属株式会社様のこと

今回お話をうかがいました 代表取締役 中嶋様
金めっき技術へのこだわりや技術開発に対する想いをお話いただきました。

中嶋金属株式会社様のホームページ

創業からの歴史についてお聞かせください。

創業は昭和40年ですが、それ以前より仏具や釘隠し、引き手の金装飾などを手がけてきた歴史があります。装飾めっきは今でも京都南座や大阪城、安土桃山城の再建に採用いただくなど、歴史遺産、お神輿、鉾、五月人形など過去から現在へと引き継がれ、原料も変えることなく手がけております。
昭和40年ころから装飾めっきと平行して工業系めっきを始め、近年では微細管内部への金めっきや燃料電池電極へのめっきが当社の独自技術として注目いただいております。
京都では取り組まれている企業様はおられないのですが、プラスチック・ガラス・セラミックなど「電気を通さない素材へのめっき」も30種類以上の素材に対して技術を確立してきました。まだ誰も取り組んでいない素材へ挑戦してきたことで今では気体と液体以外は全てにめっきが可能となりました。



技術開発はどのようにされているのですか?

お客様からのご依頼や社内の品質向上・改善、レベルアップなどがきっかけとなり始まることが多いです。意識していることは文献にないもの、どこもまだ取り組まれていないことへ積極的に取り組むことです。今すぐ取り掛かれるものばかりではないですが、アイディアとしてストックしておき、時がきたら挑戦しています。
開発期間は3時間のものから3年かかるものまで様々ですが、「やり遂げる」これがスタンスですね。開発時は大学や研究機関の知恵を借りながら取り組むこともあり、実際に水素燃料電池の一部に採用された技術もあります。普及はまだまだこれからですがね。



御社の金めっき技術について教えてください。

サンプル

サンプル
当社のめっきは製品ごとに一品一様で対応させていただいております。 金めっきと一言に申しましてもお客様ごとにご要望は異なります。「当社の金めっきはこれです」というのではなく、お客様のご要望に対応できるよう、めっき液や前処理液、工程などきめ細かく仕様を変えて対応いたしております。めっきはとても繊細で、温度・時間・濃度など様々な条件によって仕上がりが左右されます。ご要望に迅速かつ正確にお応えするために処方は全てデータ化し、誰が担当しても一定の仕上がりになるよう体制を整えています。
「バラつきが起きない工夫」これは創業当初から徹底してまいりました。商品として不良を出さない品質と技術レベルを保つこと、これは当社だけではなく世界のものづくりのなかで新興国との差異化として日本企業が生き残るひとつの手段としてもより一層日本は力を入れていく必要があると考えています。

社風について教えてください。

「職人ではなく、技術者を育てる」という想いをもっています。技術者というのはプラスαの一歩の改善、応用、開発をすることを指しています。本来めっきは職人技であるべきと考えています。そこは基本です。しかし経験値からの判断だけではなくデータに基づく分析と対応を併せ持つことでより良い開発が生まれると考えています。
当社の平均年齢は36歳。一番若くて22歳です。展示会やめっき組合など外部からの情報収集、ベテラン社員からの現場での実践を通して経験を積んでもらっています。
個々人が技術者の面と職人の面、両方を併せ持つことが多岐に渡るお問い合わせを解決できると考えています。

当社の営業の対応はいかがでしょうか?

迅速な対応に助かっています。ただ、当社にいただく依頼の大半が特殊なものや一点物の案件となっており、佐々木さんへ相談する内容も難題が多く、困らせてしまっていますね。メーカーと商社の二面があることで自社品他社品問わず新製品や新技術が出た際はすぐにご紹介いただけるとありがたいですね。当社もお客様への解答スピードをあげることができるので、ぜひ試してみたいと思っています。

編集者の一言

展示会に合同で出展させていただくなど、日頃からめっき技術を学ばせていただく機会も多い中嶋金属様。
私自身は今回初めて訪問の機会をいただきましたが、中嶋金属様の創業から今日までのお話や技術開発のお話を伺い、信念をもって向き合うこと、情報収集をもとに積極的に挑戦することの大切さを学ばせていただくことができました。

また、実際に目にしたことのあるお城や建物に採用されているめっき技術を拝見し、微細な部品からスケールの大きなものまで幅広い分野で採用されているめっき技術に気づかぬうちに触れていたという事実に驚くとともにとても身近に感じることができました。次回訪れる際には違う角度で楽しめそうです。
この度はお忙しい中、インタビューに応じていただき、ありがとうございました。