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乾燥剤について

乾燥剤について

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乾燥剤とは

空気や物体から水気(湿気)を吸収するものです。
水分を除去し物質を乾燥させ、品質を維持するために用いられます。
乾燥剤の種類は様々で原料や性質、用途によっても異なります。

乾燥剤を入れる目的

乾燥剤は品質保持の為に様々な目的で使用され
普段の生活において欠かせないものとなっています。

 

新鮮な食味・食感を維持

例)食品

食品は空気中に含まれる水分を吸収して湿気ます。
せんべいや海苔など乾燥させて作られている食品は湿気やすく
反対に元から水分が含まれている食品は湿気ることはほとんどありません。
食品の湿気やすさは、食品の元の水分量と周辺の湿度が関係します。
乾燥した食品が水分を吸収すると「サクッ」や「パリッ」の食感を失い
味が落ちてしまいます。
また、食品の水分率が高くなるほど微生物が繁殖しやすくなり
酸っぱい臭いやカビ発生の原因になります。

性能劣化を防止

例)医薬品

粉薬や錠剤の場合、空気中の水分を吸って変質し、
薬の効きめが悪くなる可能性があります。
口の中に入れるとすぐに唾液で溶ける錠剤は特に吸湿しやすいです。
「冷所保存」と記載がない薬を冷蔵庫保管すると、冷蔵庫から取り出した際
温度変化によって結露が生じ、変質の原因になることもあります。

 

医薬品の保存

サビの発生を防止

例)機械・金属

鉄の場合、自然界では鉄と酸素が結合して酸化鉄として安定して存在しています。
この現象は、酸素から分離された鉄が温度や湿度などの環境の影響を受けやすく
不安定であり安定するために酸素を取り込み酸化物に戻ろうとするためです。
これがサビ発生の原因です。
鉄表面に酸素と水が存在することでサビが発生します。

 

サビを防止

結露を防止

例)海上コンテナ・陸上輸送等の長期間輸送

海上コンテナは気密性が高いため、
包装段ボールや梱包用木材に含まれた水分を内部に閉じ込めます。
気温差が激しい海上で輸送するためコンテナ内部が結露しやすく
湿気の原因になります。
陸上輸送においてもコンテナは気密性が高いため
昼夜の温度差や高地と低地といった標高差などが
影響して結露が発生しやすくなります。
結露を防止

シロアリ被害やカビ発生を防止

例)住宅の床下

シロアリなどの害虫は湿度が高いところを好みます。
住宅の床下の通気孔が植木や物置、エアコンの室外機などでふさがれていると
換気ができず湿気がたまり、シロアリ発生の原因になります。
湿気がたまるとシロアリによる床下の土台損傷のほかに
結露発生による木材腐敗が起こり、家の中にもカビが生えやすくなります。
シロアリ防止



吸湿の原理

乾燥剤は吸湿の原理によって3タイプに分かれます。

 

物理吸着タイプ

シリカゲル(二酸化ケイ素)が代表。
素材に無数の穴が開いており、水分子の分子間力で穴に水分を吸着します。
結合力が弱いため、高温化や気圧の変化で放湿します。
シリカゲルA型はB型に比べて穴の径が小さく、低湿度の吸湿力が優れ、放湿が少ないことが特徴です。
シリカゲルB型はA型に比べて穴の径が大きく、高湿度で多量の水分を吸い、吸湿と放湿を繰り返します。

 

物理吸着,シリカゲル,二酸化ケイ素

 

化学反応タイプ

生石灰(酸化カルシウム)が代表。
水分子と反応して水酸化物になる性質を利用して吸着します。
CaO(生石灰:酸化カルシウム)+H2O(水)→Ca(OH)2(消石灰:水酸化カルシウム)
化学的な吸湿であるため、分解温度(100℃以上)より低い場合は水分を出しません。

化学反応,酸化カルシウム,化学的

 

結晶水タイプ

塩化カルシウムが代表。
水分に触れると溶け始め、最後には液体になる性質を利用して空気中の水分を吸着します。
CaCl2(塩化カルシウム)+6H2O(水)→CaCl2・6H2O(6水塩化カルシウム)

 

結晶水,塩化カルシウム,潮解

 

 

乾燥剤の種類

シリカゲル(二酸化ケイ素 SiO2

透明または無色透明か、青色の吸湿インジケーター付きのビーズのような粒状で、小袋に入っています。
吸湿量はシリカゲルの重さの30~40%程度。
「A型シリカゲル」と「B型シリカゲル」に分かれます。
「A型」は低湿度な空間での吸湿性に優れ、食品やカメラなどの精密機器に使用されています。
「B型」は高湿度な空間の吸湿性に優れ、床下、楽器、家庭用の除湿剤の製品などに使用されています。
吸湿効果がなくなった場合、再生させるには
「A型」は150℃~180℃の加熱が必要であることに対し、「B型」は天日干しで吸湿力が回復します。

 

生石灰(酸化カルシウム CaO)

白くて小石のような形をしており、不透明な小袋(主に白色の耐油紙・耐水和紙)に入っています。
吸湿量は生石灰の重さの30%程度。
吸湿速度は高湿度では比較的早く、低湿度ではゆっくり反応します。
低湿度環境では長時間使うことができ、お菓子や海苔、おかきなどに用いられます。
湿気と反応して水酸化カルシウムになり、多量の水と反応させると発熱して危険です。
再生はできません。

 

塩化カルシウム(CaCl2

湿気を吸着すると液化するため、容器入りか紙と合わせたシート状になっています。
吸湿量は塩化カルシウムの重さの3~4倍。
下駄箱や押し入れ、クローゼットなど広い空間の湿気取りに使用されています。

 

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