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表面処理技術のハテナ

表面処理技術のハテナ

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化学のハテナ

 

金属の表面処理は何のために行うのですか

主に、素材表面の耐食性や塗膜密着性を高めるために行われます。
単純に見た目を美しくするためにも表面処理は施されます。
その方法はさまざまで、目的や金属の材質によって使い分けられています。
  
表面処理方法の例 … 洗浄脱脂、酸化皮膜除去、研磨めっき剥離 など
  
他にも方法はたくさんあります。用途の数だけ、表面処理方法があると考えて下さい。

 

脱脂(だっし)は何のために行うのですか

めっきや塗装をする際に油脂があると密着不良の原因の一つにもなります 。
脱脂という工程を踏むことで、油脂や汚れが取り除かれ、めっきや塗装などを施す際にムラが出にくくなり、剥がれにくい仕上がりになります。
そのため、金属加工の前処理工程の一つとして組み込まれている場合が多いのです。

脱脂

 

化学研磨、電解研磨、機械研磨の違いは何なのですか

研磨技術の比較表です。
3種の研磨技術を比較する際の一例として、ご利用ください。

研磨技術比較表

◎最も当てはまる/○当てはまる/△やや当てはまる/×当てはまらない
研磨技術比較表
*1 電極設計が必要になります
*2 使用する機械によっては可能なものもあります
*3 全面が細かいキズの集合体となり光って見えます

めっき(鍍金)の特長について

主に金属表面を薄い金属で覆うことを指します。
めっきを施すことで、導電性や硬度など、他の金属の特性を付与することができます。
例えば、鉄など錆びやすい金属に、錆びにくい金属のめっきをすることで、耐食性が付与され、から守ることができます。
その他にも、外観を良くするため・高級感を出すためなどにも使われています。
金メダルもその一つです。オリンピックの金メダルは銀の上に金めっきを施しています。このことは、オリンピック憲章に定められているそうです。(ちなみに、ノーベル賞のメダルは純金だそうです。)


<めっきの種類例>
めっきの種類例

 

真空蒸着の原理について

真空蒸着結露の原理と似ています。
例えば鍋に水を入れフタをして加熱すると水が蒸発(気化)し、フタの内側で冷やされて水滴(液化)が付着します。
この原理を応用して基板に膜を形成する技術が蒸着です。
更に真空状態にすることにより膜の密着性を良くするなどの効果が得られます。


<真空蒸着の原理>
真空蒸着の原理

 

超音波は金属表面処理にどのように使われますか

金属の表面についた酸化皮膜や汚れを除去・洗浄するために超音波が用いられます。
超音波を用いることで洗浄能力が高まり、ムラなく均一に洗浄が可能、形状が複雑なものも洗浄できます。
さらに洗浄スピードを高めるという効果があります。

    <超音波洗浄の原理>
  • 液体(洗浄液)中に超音波を流すと、液体が振動し圧力差が生じます。
  • これにより、キャビテーションと呼ばれる真空の気泡が発生する現象が起き、超音波による圧により気泡が破裂します。
  • その破裂する衝撃によって汚れなどが剥がれ落ちます。

超音波洗浄の原理

 

溶接の際に起こる「溶接焼け」について

溶接を施した際、熱によって黒色化した層が形成されます。これを「溶接焼け」と呼びます。
この「溶接焼け」をそのままにしておくと、品質の美観を損なうという点だけでなく、素材の耐食性の低下や腐食などトラブルの原因となります。
ステンレスに溶接を施す場合、熱によりステンレスの耐食性を保つクロム含有量が低下します。
これがひび割れや脆化(ぜいか)の原因になります。そのため、「溶接焼け」を除去することが理想です。
「溶接焼け」を除去することで 表面の黒色化した焼けを除去、また、クロム減少も防ぐため腐食の原因を取り除きます。

溶接焼け