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金属のハテナ

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化学のハテナ



金属とはそもそもどのようなものですか

    <金属の性質>
  • 磨くと光る
  • 電気や熱をよく通す
  • 伸ばしたり、広げたりできる
  • 硬さがある

例えば、銅線は銅を細長く伸ばしたものです。電気を通しやすいので、電子部品に多く使われています。
また、アルミホイルもアルミニウムを薄く広げたものです。アルミホイルを電子レンジに使用できない理由は金属だからです。電気が流れて、火花が散ることもあるのでご注意ください。

このように形が変わっていると、金属だとは思わないかもしれませんね。
金属はあらゆるところに使われているので、ぜひ探してみて下さい。



周期表はどのようにして作られたのですか

1869年にロシアの化学者であるドミトリ・メンデレーエフが元素の性質に着目し、提案したものです。その発見により、メンデレーエフはそれまで発見されていなかった数多くの元素の存在を予言しています。
周期表」は、今では化学に欠かせないものとなっています。

 

↓こちらをクリックしていただくと拡大します。

元素記号周期表

文部科学省のホームページに『一家に1枚周期表』という具体的な用途が記載された周期表が掲載されています。

下記ページもぜひ参考にして下さい。

「文部科学省ホームページ」より参照。

錆はなぜ発生するのですか

金属はもともと酸素や硫黄などと結び付いた化合物として存在しています。その化合物から酸素や硫黄などを取り除くことで単体となり、私たちが目にする金属となります。
このように単体となった金属は、化合物として安定していた元の状態へ戻ろうとします。その過程で生じるものがなのです。

    【錆の例】
  • 赤錆
    鉄にできる赤茶色の錆のことを指し、酸の溶液に溶けやすい性質を持ちます。
    そのため水分や酸素が中に入りやすく、錆が奥へ拡がっていくことで、全体がぼろぼろになりやすいのです。
    日常で目にする鉄上の錆は、ほとんどが赤錆だと思われます。
  • 黒錆
    高温で鉄の表面を酸化させたものを指し、黒皮とも呼ばれます。
    赤錆と違い緻密な皮膜を形成するため、金属内部の腐食を食い止めることができます。
    黒い皮膜がなされた鉄瓶や和包丁は、黒錆を利用した防錆対策です。


“酸化皮膜”と“スケール”はどのように違うのですか

金属表面が空気中の酸素などと反応し生じる化合物を酸化皮膜と呼びます。
スケールとは、酸化皮膜の一種で、熱処理の際に生じる黒い頑固な化合物のことや、水処理関係ではカルシウムなどの金属もスケールと呼ばれています。
またスケールが付着することによって、熱伝導率が低下する場合や、機械・装置等の寿命が縮まるなど、悪影響を及ぼす可能性があると言われています。
*酸化皮膜とスケールは、同じ意味で使用されることがあります。



熱伝導率はどういったものですか

冬に裸足でフローリングを歩くより、鉄板の上を歩く方が冷たく感じませんか。それは、鉄板の方が熱伝導に優れているため、フローリングよりも早く足の熱を奪うからだと考えられます。
単位はW/m・K(ワット毎メートル毎ケルビン)と表します。

熱伝導率


*上の図は、熱伝導率を材質別で示したものです。
 右に行くほど熱伝導率が高いことを表します。



耐食性の高い金属は何ですか

耐食性の高さは金属のイオン化傾向に大きく関係しています。
イオン化傾向とは、金属がイオン化しやすい順に並べた相対的な尺度で、「イオン化しやすい」=「酸化しやすい」=「腐食しやすい」という式が成り立ちます。
ただ、イオン化しやすい金属でも、数種の金属を合わせる(合金)ことにより耐食性が高くなる金属もあります。

金属の耐食性

 

*上記の図は、金属単体の傾向のみを表したものです。
*元素記号に関しては、【周期表はどのように作られたのですか】をご参照ください。



電気を通しやすい金属は何ですか

電気抵抗率の数値が小さいほど、電気を通しやすい金属だと言えます。

≪金属の電気抵抗率一覧≫

金属の電気抵抗率一覧

 



アルミニウムの特長や用途を教えてください

アルミニウムは主に以下の特長・用途があります。

軽い

アルミニウムの比重は2.7、銅(8.9)や鉄(7.8)に比べると約1/3と軽い金属のため、軽量化の求められる自動車や鉄道車両、航空機など輸送分野で多く使用されています。

横にスクロールしてご覧いただけます。

アルミニウム
(Al)

(Fe)

(Cu)

(Ag)

(Au)
マグネシウム
(Mg)
2.70 7.86 8.93 10.50 19.30 1.74

強い

比強度(単位重量当たりの強度)が大きいため、車両や建築物などの構造用材料として使用されています。また、マグネシウムや銅・亜鉛との合金、圧延加工などによって強度を高めることができます。

 

美しい

アルミニウムは素地のままでも美しく、さらにアルマイト処理など表面処理を施すことで、より美しく、多彩な色をつけることも可能です。車両や建築物、装飾品などデザイン性の求められる外装・包装材などに活用されます。

 

リサイクル可能

他の金属と比べて腐食しにくく融点が低いため、不要になったアルミ製品を溶かして、再生することが可能です。アルミ缶のリサイクルが一般的に知られています。

 

耐食性に優れている

アルミニウムは空気中で酸化皮膜を生成します。この酸化皮膜は安定性が高く緻密(きめ細やか)な皮膜で、腐食を自然と防止することから、建築や船舶・海洋開発などで活用されています。

 

加工性に優れている

塑性加工(ソセイカコウ:材料に大きな力を加えて目的の形状にする方法)がしやすく、さまざまな形状に成形することが可能です。折ったり曲げたり形を変えるだけでなく、薄い箔の形状に加工したり、複雑な形に押し出し加工・切削加工にも優れており、金型や機械の成形、その他多岐にわたり使用されています。

 

電気をよく通す

電気伝導率は銅の約60%ですが、比重が約1/3であることを踏まえると同じ重さの銅に比べて2倍もの電流を流すことができます。高電圧の送電線に採用されるなど、エネルギー分野・エレクトロニクス分野で大いに活用されています。

 

熱をよく通す

アルミの熱伝導率は鉄の約3倍。熱伝導率が高いと、急速に冷えるという性質にもなり、熱交換器やエンジン、冷暖房機器などの部品に採用されています。

 

光や熱を反射する

純度の高いアルミニウムほど優れており、純度99.8%以上のアルミニウムは放射エネルギーの90%以上を反射します。その特長を活かして、照明器具や暖房機器の反射板などに使われています。

 

磁気を帯びない

非磁性体のため、磁場に影響されません。そのため、計測機器や船の磁気コンパス、磁気ディスクなどに使用されています。

 

低温に強い

液体窒素(-196℃)や液体酸素(-183℃)の極低温下でも脆性破壊(ゼイセイハカイ:ほとんど変形のないまま、表面が割れて材料が破壊すること)がなく靭性(ジンセイ:材料の粘り強さ。他の力によって破壊されにくい性質)が大きいため、宇宙開発やバイオテクノロジー分野で注目を浴びています。

 

毒性がない

無害・無臭で衛生的、人体や土壌への害がありません。そのため、食品や医薬品の包装、飲料缶など広く使用されています。

 

鋳造しやすい

融点が低い・溶けた状態でも表面が酸化皮膜で覆われておりガスを吸収しにくい・湯流れが良いという性質から鋳造しやすく、産業機械部品など幅広い分野で使用されています。

 

接合しやすい

溶接やろう付け・はんだ付けなど、さまざまな方法で接合しやすい金属です。

 

真空特性がよい

真空装置の材料にアルミを使うと、ガス放出率が小さく真空到達性能が他の材料に比べて優れています。



銅・銅合金の主な種類を教えてください

は本来もっている熱伝導・導電性非磁性という特長に加え、他の金属を加えて銅合金にすることで新たな特長を付け加えることができます。以下は銅・銅合金の主な種類とその特長や用途です。

純銅

銅の純度99.9%以上のもの。製法により無酸素銅、脱酸銅などがあります。熱伝導や導電性が良く、非磁性などの特長をもち、主に食器や台所用品などで使用されています。

 

黄銅

銅に亜鉛を加えた銅合金。真鍮ともいわれます。亜鉛の割合によって物性が変わり、主に仏具や金管楽器などで使用されています。

 

青銅

銅に錫を加えた銅合金。ブロンズ、唐金ともいわれ、さらに別の金属を加えることもあります。鋳造性が良く、優れた耐食性などの特長をもち、主に鋳物として使用されることが多く、完成品には10円硬貨やオリンピックの銅メダルなどがあります。

 

白銅

銅にニッケルを加えた銅合金。銀白色のため、銀の代用品として100円硬貨や50円硬貨などに使用されています。また海水に対する耐食性が良い特長をもつため、船舶関連に部品にも多様されています。

 

洋白

銅にニッケル、亜鉛を加えた銅合金。洋銀、ニッケルシルバーともいわれます。優れた弾性、加工性などの特長をもち、主に装飾品や銀器、フルートなどに使用されています。

 

ベリリウム銅

銅に0.5~3%のベリリウムを加えた合金。さらに別の金属を加えることもあります。高い強度や優れたバネ性、耐熱性、耐食性などの特長をもち、主にコネクタやスイッチ、バネ材料で使用されています。



緑青はどのように発生するのですか

自然環境での緑青の発生経緯としては、銅が雨風にさらされ酸化した後、大気中の硫黄化合物や二酸化炭素、水分、塩分などと反応して、長い年月を経て生成されます。
緑青の主な成分としては、一般的に塩基性炭素銅という化合物がよく知られていますが、環境によって生成される主成分が変わることがあり、例えば温泉地など硫黄の多いところでは塩基性硫酸銅、海岸に近いところでは塩基性塩化銅が主成分として生成されます。緑青は青緑色をしていますが、こうした環境の違いから主成分が変わることで、同じ青緑色でも色調が異なるのです。

また、神社やお寺などでよく目にする銅屋根の緑青などは、通常20年以上かけて生成されますが、近年、人工的に緑青を生成する方法として、塗装法・化学発色法・電解法などの技術も確立しており、特殊な薬品を用いて短期間で緑青を生成することも可能です。